WordPressはテーマを入れ替えるだけで、レイアウトやアイキャッチ画像の見せ方、スマホ対応などデザインを変えることができます。スタイルの変化だけでなく、拡張機能や、SEO内部対策などデザイン設計も変わるため、テーマ選びの失敗はWebサイト運営の致命傷につながる危険性があります。

WordPressテーマの選び方

本格的にWordPressを使ってネットから集客をしたい場合、見た目のデザインだけでなく、検索エンジンにインデックスされやすいSEO内部対策に対応した構造と、Web集客機能があるテーマをおすすめします。初心者の方が有料テーマを購入する場合は、情報交換を目的としたフォーラムや疑問点を解消してくれるメール対応などのサポート体制があるテーマがおすすめです。

有料のWordPressテーマを購入する場合のチェック項目をまとめました。テーマを購入する前に、下記の8項目を参考にしてデモサイトなどで十分に確認してください。

無料テーマと有料テーマの比較

WordPressには、無料テーマ有料テーマ海外テーマ国産(日本語)テーマの4項目で分類することができます。それぞれの特長をまとめました。

項目無料テーマ有料テーマ
海外製公式テーマディレクトリから入手。種類も豊富で審査を通過しているので安全。初心者におすすめのテーマ。テーマ販売サイトから購入。デザイン性が高く高機能なテーマが多い。日本語で書かれたカスタマイズ情報が少ない。
日本製公式テーマディレクトリ、もしくは個人・企業のサイトから入手。他のサイトと類似したデザインになりやすい。テーマ販売サイトや個人・企業のサイトから購入。サポートがないテーマ、1サイトしか使えないテーマがあるので注意が必要。

もしあなたがWordPress初心者であれば、日本語に対応している公式無料テーマをおすすめします。WordPressに慣れ親しんだ頃に、Webサイトの運営方針にあったデザインや機能を求め、有料テーマを探すという手順が失敗しないテーマ選びです。

モバイルフレンドリーテストでデモサイトをチェックする

モバイルフレンドリーテストとは、Webサイトのスマホ表示をチェックするGoogleの無料ツールです。WebサイトのURLを入力するだけで判定できます。

Googleが>モバイルフレンドリーを重視する背景として、スマホからのネット利用者の増加という傾向があります。導入を検討しているWordPressテーマのデモサイトを使って、モバイルフレンドリーのチェックをおすすめします。

PageSpeed Insightsで表示スピードのチェックする

PageSpeed Insightsとは、スマホとPC向けのページを表示スピードを測定するるGoogleの無料ツールです。0~100のスコアで判定され、85以上のスコアで合格と判定します。高いスコアを出すために、Webサイトのどこを改善すれば良いか診断結果が表示されます。

meta description(メタディスクリプション)の調整が出来る

meta descriptionとは、htmlのhead内に記述されるページの要約文です。

Google 検索結果

上記画像のように検索結果に、meta descriptionが表示されるケースがあるため、その表示内容は、検索ユーザーのクリック誘導に影響を与えます。

WordPressテーマにmeta descriptionの設定機能がある場合、クリックされやすい表記にmeta descriptionを調整できます。検索ユーザーが探し求めている情報があることを示すことで、クリック率の向上が見込めます。

品質の低いページのnoindexタグ挿入

noindexとは、特定のURLを検索エンジンへ登録させたくない場合に使うタグです。noindexは、htmlのhead内に記述します。

内容が薄く、他のページと重複しやすいページをnoindexに指定することで、Googleから低品質なサイトだと評価されるリスクを回避することができます。

Googleは、低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に、良質なサイトの掲載順位をより適切に評価します。

引用元: Googleウェブマスター向け公式ブログ

低品質なページとは、類似したページ、情報が薄いページです。具体的には、「アーカイブページ」や、「検索結果ページ」などが該当します。これらのページに対して、noindexが設定できるWordPressテーマをおすすめします。

カテゴリページのコンテンツ化

WordPressのカテゴリページは投稿記事のリスト一覧が一般的なデザインです。投稿ページの公開件数が増えることで、カテゴリーページが充実していくるため、単なる記事リストのページではもったいない状態となります。

カテゴリーページごとに説明文(他のカテゴリーと説明が重複しない文)を入れるこで、検索エンジンからの流入増加が期待できます。

新規カテゴリーを追加

WordPressの新規カテゴリー追加の画面には、ページに出力するための説明文を入力する箇所があります。(上記画像を参照)

「この説明はデフォルトではあまり重要な意味を持ちませんが、これを表示するテーマも中にはあります。」と注釈があるように、対応していないテーマも存在するのでご注意ください。

パンくずリストの表示機能がある

パンくずリストとは、サイト訪問者が現在見ているページの階層を視覚的に分かりやすく表示したリンクリストです。名称は、童話「ヘンデルとグレーテル」の主人公が森で迷子にならないように、目印として自分が通った道にパンくずを置いたエピソードに由来します。

パンくずリストには、Googleがサイト内のページをインデックスしやすくなるというメリットもあります。構造化データと呼ばれる記述が採用されたパンくずリストは、検索結果にも反映されるので、クリック率の向上が期待できます。

CTA機能の有無

CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略です。「行動を喚起し、促す」という意味です。「行動」とはズバリ、商品購入です。

しかし、サイト訪問者がいきなり「商品を購入」することはありません。商品比較のため見積を依頼や疑問点を問い合わせ。今は必要としないけど、とりあえず資料を請求する。このような心理状態に合わせたCTAを設置できることが重要です。

CTAには、サイト訪問者のコンタクト情報を収集する機能と、投稿記事の文末や固定記事の文末など、ユーザーの動線を考慮して配置できる機能が理想です。

ランディングページ機能の有無

ランディングページとは、サイト訪問者が初めに訪れる(着地する)ページという意味ですが、ほとんどの場合、Web広告のクリック後に表示する「セールスページ」と同じ意味で使われます。

本格的なランディングページの制作外注には、20万円前後の費用がかかります。Web広告の成果に応じて、ランディングページの最適化をしなければいけませんが、修正のたびに費用がかかります。

ランディングページ機能を有したWordPressテーマが存在します。大きな費用をかけることなく、自分たちで作成し、改良を重ねていけるのが魅力です。

ブロックエディタ対応の有無

ブロックエディタとは、WordPressバージョン5から導入された新しいエディタです。見出しや段落などの各要素をブロック単位で編集し、ページ内に自由に配置できます。

WordPressのテーマによっては、オリジナルのブロックが追加できる専用プラグインが用意されています。ページ装飾が容易になるブロックエディタにテーマが対応しているか確認しましょう。

WordPressテーマにオリジナルブロックが含まれる場合の注意事項

WordPressテーマに固有のブロックを出力する機能が搭載されている場合、テーマを変更するとそれらのブロックが使えなくなります。テーマ入れ替えで表示崩れが発生するので注意してください。

テーマ変更方法と注意点

WordPressテーマ変更方法と注意点をご紹介します。

テーマ変更方法

WordPress管理画面の外観>テーマの「テーマを追加」ボタンをクリックすると、無料で利用できるWordPressテーマが表示されます。公式ディレクトリに登録されているこれらの無料テーマは、日本製のテーマが少なく、マニュアルは英語表記が大半です。

国内の企業が開発販売しているWordPressテーマをインストールする場合、「テーマのアップロード」ボタンをクリックし、zipファイル形式のテーマをアップロードしてください。

注意点[1]CTAGoogleアナリティクスなどのタグコードの埋め込み

Googleアナリティクスをはじめとする計測用のタグは、テーマ入れ替えにより再設定が必要ばケースがあるので、注意してくささい。

注意点[2]メニューの設定

メニューは、テーマによって表示される箇所が異なります。メニューの設定は、WordPressの管理画面 > 外観 > メニューから行ってください。

注意点[3]ウィジェットの設定

ウィジェットもテーマによって設定が変わります。テーマの変更後、WordPressの管理画面 > 外観 >ウィジェットから設定内容をチェックしてください。

注意点[4]アイキャッチ画像のサイズ

WordPressテーマごとにアイキャッチ画像のサイズが異なります。WordPressテーマの入れ替えが終わりましたら、画像のリサイズができるプラグインRegenerate Thumbnailsで最適化してください。

注意点[5]テーマ固有の機能とプラグインの衝突

プラグインなしでも機能するよう各種設定が施されているテーマがあります。例えば、SNSのOPGをプラグインなしで出力できる機能やmeta descriptionの設定機能です。

テーマの表示や機能に影響を与えるプラグイン(例 キャッシュの制御をするプラグイン)もあります。テーマ変更後に何か不具合が発生した場合は、プラグインを1件づつ停止していくことをおすすめします。

注意点[6]テーマ固有のブロック

入れ替え前のWordPressテーマ自身がオリジナルのブロックを提供している場合、テーマの入れ替えによりブロックが表示されなくなります。

ブロックの表示エラー

テーマ固有のブロックで作成したページは全てリライト対象になりますのでご注意ください。

まとめ

そもそもWebサイトとはどのような役割があるのでしょうか。私たちイノ・コードでは、「Webサイトとは、コンテンツを使ったコミュニケーションメディア」と位置付けてます。

ネットユーザーはコンテンツに触れることで、感情が変化し考えが定まっていきます。日常会話のようにダイレクトな感情交流を図ることは難しいですが、Webサイトのコンテンツ上であなたの世界観を表現することで、ネットユーザーとのコミュケーションをはかることができます。

ビジネスサイト作成のためにWordPressテーマの選ぶ場合、SEOに強いだけでなくコンテンツを通じて見込み客とコミュニケーションがはかれる機能(SNSやメルマガへの誘導機能など)の有無をご確認ください。