キーワードを選定し、検索順位の上位表示を狙った記事を作成するやり方は、効果の高いSEOとはいえません。
SEO対策のヒントは、Googleウェブマスター向け公式ブログ「良質なサイトを作るためのアドバイス」に25のチェック項目が掲載されています。
GoogleのSEOに関する25項目のアドバイスは次の3つに要約できます。
- ユーザーの興味・関心を満たしていること
- オリジナルのコンテンツであること
- SNSでのシェアやブックマークするだけの価値があること
Googleは、ユーザーの満足度を高めるため、良質なWebサイトを上位表示するという考えを持っています。
「SEOキーワード」はユーザーのニーズを考えるヒントにとどめ、「質の高い」コンテンツの作成にこだわることで、ユーザーの満足度を高めるていく。その結果として、あなたのサイトは、検索結果の上位に表示させれるようになります。これが、Googleの理念にそったSEOの基本的な考え方です。
このページでは、キーワード選定ツールを使ったSEOキーワードのリストアップ方法を6つの手順に分けて解説していきます。
SEOキーワードの決め方【6つの手順】
ユーザーの多くが、Goolgeに2つ前後※の単語を入力し閲覧するWebサイトを選別しています。これは、複合語を入力することで、検索結果の精度が高まることを経験的に知っているからです。
SEOキーワードは単語(ビックワード)ではなく、複合語から成り立つフレーズを設定し、ユーザーの検索意図にあったコンテンツを作成する方が効率的なSEO対策だといえます。
※「株式会社ウィルゲートの調査(調査期間:2014年1月28日~2月6日)」によると、ユーザーが入力する語句は2語以上の組み合わせが最も多いという結果でした。
1:キーワード選定ツールでリストアップ
SEOキーワードは、思いつくまま集めても十分な成果につながりません。そこで、ツールを使って単語やフレーズをリストアップし、エクセルに入力(コピペ)していきます。
関連語抽出ツール
関連キーワードとは、検索ワードの意味によく似ている、もしくは一緒に検索されることが多い語句です。関連語を抽出することで、検索ニーズを調査することできます。
ubersuggest
「ubersuggest」は、関連する単語を出力し、コピーができるツールです。調べたい単語を入力し、Japanese/Japanをセレクトして「suggest」ボタンをクリックします。出力が100%になったら、 「View as text」ボタンをクリックして関連語をコピーしてください。
keywordtool
「KeyworeTool」は、Googleだけでなく、YouTubeとAppStoreからもリストアップできます。
YouTubeは、テクニック紹介やノウハウを紹介に向いているメディアです。もし、あなたが、初心者向けに手法(How to)を紹介する記事を作成したいのであれば、keywordtoolによるYouTub調査は、SEOキーワードを発見するのにとても便利なツールです。
cotoha.com トピックス
「cotoha.com トピックス」は、キーワードに関連したニュースや、ブログ、共起語、Q&Aなどを表示してくれるサイトです。
共起語抽出ツール
共起語とは特定の言葉が使用される際に、その文脈内で出現しやすい語句です。例えば、「あめが甘い」という表現であれば、あめ=雨ではく、あめ=飴と認識できます。このようキーワードの前後の文脈によって意味を整えるのが共起語の役割です。
共起語は、言い回しやフレーズ、意識していなかった用語などの発見につながり、新たなニーズを調べるのに役立ちます。
共起語検索ツール
「共起語検索ツール」は、入力されたキーワードを対象にGoogleの検索順位TOP50サイトから共起語を抽出するツールです。
Q&Aサイト
Q&Aサイトは、検索ユーザーの意図を調べるツールとして利用できます。Q&Aサイトの検索窓にSEOキーワードを入力し、検索結果から質問内容を調べます。投稿されている質問をざっと眺めていくことでユーザーの気持ち、悩みの背景が浮かび上がってきます。
Yahoo知恵袋
Q&Aサイトは、サイト訪問者の悩みやニーズをありありと思い浮かべるのにとても役立ちます。Yahoo知恵袋などの投稿を見ながら、直感的に目に止まったフレーズを集めます。
定性調査ツール
定性調査とは、調査対象者の発言や行動などから新しい発見やヒントを集める調査方法です。従来の定性調査はフォーカスグループインタビューなどで実施されており、非常に費用がかかるリーサチ手法でしたが、ネットリサーチの台頭により低価格でも実施できるサービスが誕生しています。
ミルトーク
「ミルトーク」は、法人・個人事業主登録することで、ユーザーの生の声を集めることができます。無料で100件の意見をリアルタイムに集めることができ、30件まで閲覧が可能です。
質問を投げかけることで、ユーザーの意見、ニーズを発見することができるツールです。他のSEOキーワードとは異なり、ユーザーが何を求めてコンテンツ作成のヒントになります。
2:月間検索数調査ツール
調べたSEOキーワードにどの程度の需要があるのか「Googleキーワード プランナー」を使って調べます。
Googleキーワード プランナーの宣伝する商品やサービス欄に、リストアップした単語やフレーズを入力します。
検索キーワードの月間検数が表示されます。月間検索数が1,000の場合、1位表示だと月に200前後のアクセス※が期待できます。
※ 英国のNetBoosterが公開した表示順位ごとのクリック率から推測。表示1位の場合、19.35%のクリック率となります。ユーザーのニーズが明確な2語以上であれば、クリック率はもう少し高くなるはずです
One Click Curve to Rule them all
3:検索ユーザーの感情を起点に分類する
検索ワードには、感情が含まれています。感情を起点に分類することで、どのような情報が必要とされているのか明確になります。ユーザーの感情は、2つの対象と3つの欲求で分類し、割り付けます。
対象 | 説明 |
---|---|
情報検索 | 情報を集め「悩み」の原因を知りたい時に検索されるワード |
商品検索 | 問題を解決する方法を求めて検索されるワード |
情報検索とは、ユーザーが情報を集め、幅広く比較、検討したい場合などに行います。商品検索は、商品名や商品の種類、会社名、ブランド名などの固有の単語で情報を探す行為です。
欲求 | 説明 |
---|---|
原因解明 | 悩み・不安の原因を知りたい |
現状改善 | 課題・悩みを解決する方法を知りたい |
願望実現 | 密かな願望を叶える方法を知りたい |
これらを整理すると、ユーザーは主に3つの欲求を持っていることがわかります。
- 現状に悩んでおり、その原因を確かめることで安心し、解決の糸口を見つけたい。
- 現状の課題、悩みを自分または他者を通じて解決したい。
- ユーザーが抱く願望、憧れ、理想を実現したい。
以上、3つの分類方法を理解し、Googleキーワード プランナーからダウンロードしたデータを仕分けしていきます。キーワードをグループ分けすることで、ニーズの傾向を把握することができます。下記図は、メインキーワードをダイエットにした場合のサンプルです。
4:検索ニーズを知る
検索ニーズを知ることは、コンテンツSEOを成功させるために重要な作業です。
参考例として、「ダイエット」に関連する月間検索回数1000以上のワードを調査し分類・集計したところ、次のような傾向が判明しました。
分類 | 月間検索回数 |
---|---|
メインキーワード | 673,000 |
情報 原因解明 | 17,100 |
情報 現状改善 | 616,600 |
情報 願望実現 | 22,900 |
商品 原因解明 | 26,900 |
商品 現状改善 | 205,500 |
体重の増加に悩みを持つ人は、痩せる方法を探す傾向(情報 現状改善)が強いことがわかります。情報 現状改善のキーワード群を見ると、食事に関する語句が多く出現しています。ここから「辛い運動よりも、楽に痩せたい意向が強い」という仮説が見えてきます。
商品 現状改善のグループを眺めると、食事に関係する語句が運動に関する語句よりも検索されていることがわかります。
つまり、楽に痩せる方法、特に日々の食生活の見直しだけで効果がある方法は、ニーズが高い情報だと推測できます。
このように、キーワード分類は、SEO効果の高いコンテンツ作成に役立てることができます。
5:SEO難易度チェックツール
株式会社ディーボ社が運営するツール「rishirikonbu」を使うことで、SEOキーワードごとに上位表示の難しさを調べることができます。
難易度は、SEOキーワードをグループ分けした表に反映させていきます。
6:SEOキーワードを決める
以上の作業で、どのようなキーワードにニーズがあるのか、需要のあるテーマとSEOの難易度が整理できました。
最後に、SEOキーワードを選定していきます。下のチェック項目を参考にリストアップしたキーワードをチェックしていきましょう。
- 月間検索回数が多くSEO難易度が低い
- 検索上位サイトに不足情報があると感じる
- ユーザーが求めている情報が理解できる
- あなた自身が書きたいと思うコンテンツになる
- あなたのコンテンツを読んだユーザーに驚きを提供できる
Googleで競合Webサイトの内容を確認します。その際、上記5つの項目をチェックしながら、SEOキーワードの優先順位を決めていきます。
また、検索エンジンだけでなく、ソーシャルメディア上でシェアされている競合コンテンツをチェックするのもオススメです。
ソーシャルメディア調査ツール
「Buzzsumo」はソーシャルメディア上で拡散しているコンテンツページを検索できるツールです。SEOキーワードを入れることで、SNSでユーザーがシェアされているコンテンツをチェックすることができます。
SEOはコンテンツの質で決まる
質の高い情報に触れたユーザーは、設定されたCTA(行動喚起)に反応し、あなたの商品購入の検討へと変容していきます。これがコンテンツSEOによるWeb集客の流れです。
ユーザーの感情に沿ったコンテンツ配置
ユーザーは、感情の変化とともに求める情報の質が変わります。そして、情報に触れることでユーザーの行動に変化が生じます。
商品購入という行動をゴールとした場合のユーザーの感情変化に注目すると、次のようなプロセスになります。
- 認知:あることがきっかけで、自分自身の悩みや課題の存在に気づく
- 情報検索:原因解明、悩み解消、理想の実現。この3つの欲求を満たす情報を探す
- 商品検索:自分の悩み・課題解決ができる商品を比較検討する
- 購入:ユーザーの価値観にあった商品を購入する
SEOキーワードを購買プロセスごとに整理し、エクセルにまとめていきましょう。
コンテンツのテーマを決めることで、Webサイトのページ構成が決まります。
検索順位チェックツール
コンテンツの公開後は、検索順位が気になると思います。無料のツールなどを使って検索ランキングをチェックし、競合コンテンツとの違いを確認してください。
情報は公開と同時に古くなっていきますので、1度公開したコンテンツに最新の情報を加えたり、新しい発見や経験に基づく内容を加筆しながらコンテンツを育てていきましょう。
無料の検索順位チェックツール(一部機能は有料)をご紹介します。
- keywordMap SEOリサーチ:競合WebサイトがSEOで獲得しているキーワードをチェックできるツール
- 検索順位チェックツールGRC:検索順位の推移をグラフで確認できるツール
- SERPOSCOPE:Macでも利用可能な検索順位チェックツール
- SEOチェキ!:3つのキーワードまで順位をチェックできるツール
まとめ
ニーズがあり、難易度が低いSEOキーワードで記事を作成するのは王道です。しかし、あなたがそのSEOキーワードをテーマに記事を書くモチベーションが上がらない。または、ユーザーに、「へえ!!そうなんだ!」という新たな価値を提供できないのであれば、別のSEOキーワードを選定することおすすめします。
SEOキーワード選定はあくまでコンテンツ作成のヒントでしかありません。ユーザーに役だつ情報を常に意識してください。記事を読んだユーザーが満足する事に注力すれば、誰でもSEOの成果を出せるようになります。